投稿日時 2025-08-16 19:46:14 投稿者 ![]() てんぽたんぽ このユーザのマイページへ お気に入りユーザ登録 |
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加藤清正は、これまでの苦い敗戦を通して、頼朝軍の戦い方、特に鉄砲隊の恐るべき威力と重き騎馬突撃を組み合わせた運用術を、その身をもって理解していた。清正は幾度も屈辱を味わい、眠れぬ夜を過ごし、ただひたすらに頼朝軍への対策を考え続けてきたのだ。 (此度、あの恐るべき騎馬突撃はない! 敵は大軍とはいえ、鉄砲隊のみ! ならば、勝機はある!) 清正は、この一点に、活路を見出そうとしていた。 清正「者ども! 敵の射撃が止んだ今じゃ! ただちに突撃!」 清正は自ら先頭に立ち、突撃を命じた。 清正「鉄砲隊に取り付きさえすれば、我らに勝機はある! 我らが意地を見せよ!!」 義経隊の第一列の一斉射撃が止んだ一瞬の隙を突き、加藤清正隊は再び雄叫びを上げながら、頼朝軍へと突撃を開始した。 清正隊に接近戦を許してしまった義経隊の最前列、組織的な抵抗はできず、ある者は白兵戦の餌食となり、ある者は恐怖に駆られて逃げ出し、またある者は慌てて引き金を引く。頼朝軍の先鋒は、一瞬にして混乱状態へと陥った。 その様子を目にして、義経は静かに呟いた。 (兵の数は多ければ良い、というわけではないが……我ながら、なんとも酷い崩され様じゃ……) 義経は、敵将・加藤清正の見事な戦術眼と、麾下の兵たちの勇猛さに、素直に感嘆していた。 (敵は寡兵ながら、まことに良き戦いをする部隊よ。しかし……!) 義経は、敵将の才覚に素直に頭を垂れたい思いすら覚えていた。だが、その敬意は、次の瞬間に鋭き策へと変わる。 |
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