投稿日時 2025-07-14 21:41:28 投稿者 ![]() てんぽたんぽ このユーザのマイページへ お気に入りユーザ登録 |
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織田軍は、頼朝軍の騎馬突撃を予測し、巧妙な罠を仕掛けていた。 太田隊が、先鋒部隊を蹴散らし、勢いに乗って追撃した、次の瞬間―― 伊吹山の尾根影、さらに養老の谷あい―― そこから黒煙のように伏兵が噴き出した。左右同時、太田隊の側面へ刃が殺到する。 同時に、北からのトモミク隊の前進を食い止めるべく、さらに別の部隊が立ちはだかり、頼朝軍が得意とする挟撃の態勢をも、巧みに崩す。 完全に挟撃を受けた太田隊。その勢いは一瞬にして削がれ、騎馬隊特有の突破力も、機動力も、この地形では意味を成さなかった。槍の林と火縄の閃光が、馬上の武者たちを無情に穿つ。 太田道灌は、懸命に陣形を立て直そうとするが、騎馬武者ゆえ退路も狭く、馬の足元で槍と火縄銃が待ち伏せていた。馬が悲鳴を上げる。 道灌「な、何という体たらくじゃ! 深追いしたのが裏目に出たか! 敵の罠に気づかぬとは!」 太田道灌は、己の油断を呪った。 道灌「退けぇ! 全軍退却! 生きている者は、今はただ、ここから逃れることだけを考えよ!」 織田軍を追い払うどころか、このままでは太田隊は全滅しかねない。まさに、絶体絶命の危機であった。 歴戦の名将・太田道灌も、もはや、生き残っている兵たちを、一人でも多く戦場から離脱させることに、必死になるしかなかった。 |
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