投稿日時 2025-07-28 16:06:16 投稿者 ![]() てんぽたんぽ このユーザのマイページへ お気に入りユーザ登録 |
投稿者コメント | |
頼朝は、ゆっくりと弓姫へと視線を移す。 頼朝「弓姫殿。そなたがこうして当家へ来てくだされたこと、そのご縁が我が国を強くし、民を豊かにすることにつながりますぞ」 そして、評定の間の隅で、背筋を丸めて座る男へ視線を投げる。 頼朝「さて、そなたの夫となる男が、あそこに控えておりまする。坂田金時――熊をも素手で退治する伝説に語られる荒武者なれど、今は見る陰なくすっかり萎れておる」 家臣団に笑いがこぼれる中、弓姫は坂田金時を目にして微笑んだ。そして、静かに一礼をしたうえで、あらためて頼朝に言葉を返した。 弓「この弓、上杉家の娘として、頼朝様のご一門に加えていただけたこと、何よりの名誉と心得ております。坂田殿と共に、日々、精進を重ねてまいります」 一つ一つの上杉弓の言動や立ち居振る舞いに関心する頼朝であったが、坂田金時のいまだ収まらぬ動揺ぶりをめにして、頼朝自身も恥ずかしくなって来る。 頼朝がたまらず坂田金時に声をかける。 頼朝「金時! そなたも何か申せ!」 金時「はっ、はいっ! さ、坂田金時、申し上げまする! ど、どうぞよろしゅう、お願い申し上げまするっ……!」 |
||
最大化 | アクセス解析 | ユーザ情報 ![]() |
▽この画像のトラックバックURL▽(トラックバックについて) |