投稿日時 2025-08-03 23:33:41 投稿者 ![]() てんぽたんぽ このユーザのマイページへ お気に入りユーザ登録 |
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頼朝は、岐阜城の天守にて、かつてトモミクが語っていた言葉を思い出した。 『伊勢の長島、そして近江の道を、私たちが抑え、織田軍の侵入を完全に防ぐことができましたら…… そうなれば頼朝様も、この時代での暮らしを、少しはお楽に過ごしていただけるのではないかと……トモミクは、そう考えております!』 (――この嘘つきめ……。楽に過ごしていては、“主”の使命など、果たせぬではないか……) あのとき、事情を知らぬ己に向けて、言葉を慎重に選びながら話していたトモミク。 (……だが、もしも、ほんの少しでも、その言葉にすがっていた自分がいたとしたら―― それは、それだけ、そなたの言葉が、温かかったということなのかもしれぬな) けれども、あの優しい言葉に、どこか“甘え”たくなった自分自身を振り返り、 頼朝は、自嘲気味に、そっとその言葉を反芻していた。 |
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