タイトル | 10-2 破られた挟撃 挿絵3 | ||||
タグ | *小説 | ||||
コメント | 織田軍は、頼朝軍の騎馬突撃を予測し、巧妙な罠を仕掛けていた。 太田隊が、先鋒部隊を蹴散らし、勢いに乗って追撃した、次の瞬間―― 伊吹山の尾根影、さらに養老の谷あい―― そこから黒煙のように伏兵が噴き出した。左右同時、太田隊の側面へ刃が殺到する。 同時に、北からのトモミク隊の前進を食い止めるべく、さらに別の部隊が立ちはだかり、頼朝軍が得意とする挟撃の態勢をも、巧みに崩す。 完全に挟撃を受けた太田隊。その勢いは一瞬にして削がれ、騎馬隊特有の突破力も、機動力も、この地形では意味を成さなかった。槍の林と火縄の閃光が、馬上の武者たちを無情に穿つ。 太田道灌は、懸命に陣形を立て直そうとするが、騎馬武者ゆえ退路も狭く、馬の足元で槍と火縄銃が待ち伏せていた。馬が悲鳴を上げる。 道灌「な、何という体たらくじゃ! 深追いしたのが裏目に出たか! 敵の罠に気づかぬとは!」 太田道灌は、己の油断を呪った。 道灌「退けぇ! 全軍退却! 生きている者は、今はただ、ここから逃れることだけを考えよ!」 織田軍を追い払うどころか、このままでは太田隊は全滅しかねない。まさに、絶体絶命の危機であった。 歴戦の名将・太田道灌も、もはや、生き残っている兵たちを、一人でも多く戦場から離脱させることに、必死になるしかなかった。 |
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iコード | i990427 | 掲載日 | 2025年 07月 14日 (月) 21時 50分 04秒 | ||
ジャンル | イラスト | 形式 | PNG | 画像サイズ | 1024×1024 |
ファイルサイズ | 1,915,848 byte |
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